季節はずれの本紹介です。
この本は、インド滞在中に2回読んだ唯一の本なんですね。
最初はピクニック中のコチの海岸で、もう一回はパキスタン/フンザのゲストハウスにあったのを偶然見つけて読みふけました。
2回目に読んだときの方が感動しましたね。
[わかりやすいストーリー]
江戸時代末期、奥州南部藩の足軽、吉村貫一郎は、妻と子を南部盛岡に残して脱藩します。その数年後、吉村は江戸にて新撰組への入隊を志願したのでありました。学にも剣にも優れた、文字通り「文武両道」の侍であった吉村ですが、なぜかお金には異常な執着を見せるのです。そんな吉村と新撰組を、時代の流れが飲み込もうとしていました。
この話はもう・・・涙なしでは読むことは出来ません。
侍とはなにか。忠義とはなにか。日本人とはなにか。
現代日本人としてボーっと生きている僕の胸には、ガツンと来るものがありましたね。
今こうやって思い出しながら書いているだけで、背筋が伸びる思いがします。
侍の末裔である日本人として、恥ずかしくない生き方をしなければいけない!という思いがしてきますね。
僕は、日本人として
「義」の心を忘れないで生きていきます。
これは、日本人全員に無条件でお勧めできる本ですね。
ちなみに、ちょっと調べてみました。
この話、どこまでがホントでどこまでがウソなの?
新撰組はもちろん実在で、近藤勇、土方歳三などももちろん実在。
歴史の流れもまぁあたってる。
じゃ、吉村は実在だったの?
というわけで、ちょっと調べてみました。
吉村貫一郎という学にも剣にも秀でた南部出身の隊士は、諸士取扱役兼監察として確かに新撰組にいたそうです。
ただ、どうやら確認できる事実はそこまでで、その他のことはフィクションみたいですね。
妻子を盛岡に残すどころか、独身だったようです。
記録にもほとんど残っていない超マイナーな隊士だったみたいですね。
調べている途中で、こんなものを見つけちゃいました。
純米大吟醸「吉村貫一郎」。
ぜひ一度味わってみたいものです。
ところで・・・。
なんでいきなりこの話をしだしたか。
1年ぶりに日本に帰ってきて完全に浦島太郎状態の僕は、毎日日経をスミからスミまで読むようにしてます。
まぁやることないですからねー。就活もまだしてないし。
そこで、現在日本を取り巻くとある状況が、この本とかぶっていることに気づいたのです。
本の中では、大政奉還後、朝敵である会津藩を討てという命令が薩長から南部藩に出ます。
しかし南部と会津はかつての同盟藩。
ただの私怨としかみられない会津討伐の命をめぐって南部藩上部が紛糾する中、吉村の幼馴染である南部藩重役、大野次郎衛門は、「義」に生きるために決断を下したのです。
日本人として「義」を考えるならば、現代日本を取り巻くある状況に対する答えはただ一つ。
お願いだから、100年後の日本人がこのことを振り返って、侍として恥ずかしく思うことのないような外交をしてください。
なんとかなりますよ。